そんな朝。

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 好きで好きで好きで。
 愛しくて愛しくて愛しくて。
 私は狂う。

 苦しくて苦しくて苦しくて。
 悲しくて悲しくて悲しくて。
 俺は壊れる。

「この恋が叶わぬならば、世界が滅ぼうと構わない」

 だから、俺達は賭けに出た。
 私達の幸せを掴む為に。

 ……それは悲しい物語。
 叶わぬ恋の物語……。


 
 ――そんな夢を見た。
 ぼんやりとした頭の中、見た事のある顔が浮かんだ気がした。
 でも、すぐに消えてしまう。
 咄嗟に思い出そうとしても、霞掛かった記憶には手が届かない。
 そして、気付けば『夢を見た』という事すらも記憶の彼方へと消えていく。

 冷え込みが強くなった冬の朝。
 ただ、それだけの話。





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