そんな過去。
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そこは科学という概念が無く、代わりに魔法という技術が発達した世界。
火や水、風といったものを自在に生み出し、操る事の出来る魔法という技術は、古くから多くの人々に扱われてきた。
だが、魔法を使う為には魔力というものを必要とする。しかし、世界には魔法を使う為に必要な魔力を持ち得ない者も多く居り、全ての人々が自由に魔法を扱える訳ではなかった。
その結果、その力を忌み嫌う者達が現れた。
自分達には持ち得ないその力。自分達の命を脅かすかもしれないその力。
結果的にそれは、魔法使いに対する差別意識へと繋がった。
対する魔法使い達の中には、エリート意識を持つ者達が生まれ始めた。
自分達にしかないこの力。魔法を使えぬ者達の命を弄ぶ事の出来るこの力。
結果的にこれは魔法を使えぬ者に対する差別意識へと繋がった。
この二つの差別意識は世界に広がり、これを切っ掛けとして戦争に発展する事も少なくなかった。
だが、歴史が進むにつれ、お互いの理解も深まり、その争いの頻度も減っていった。
しかし、その差別意識が完全に消えた訳ではなかった。
今でも、魔法使いを嫌う地域、魔法を使えぬ者を嫌う地域は確実に存在した。
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では、昔話を始めよう。
これは一人の少女が、ある魔法使いに出逢った時の話だ。
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